「高圧から低圧へ」の変更は本当にお得?プロが教える判断基準
キュービクル(高圧受変電設備)を維持するには、電気主任技術者による定期点検費用や、機器の更新費用がかかります。そのため、「いっそのことキュービクルを撤去して、電力会社との契約を『低圧受電』に切り替えたい」というご相談をいただくことがあります。
結論から申し上げますと、「多くの場合、工事コストを回収できず、メリットが少ない」のが現状です。その理由をメリット・デメリットで比較解説します。
低圧化のメリット
- 管理コストの削減: キュービクルが不要になるため、電気主任技術者の選任や、保安協会への月次点検費用の支払いがなくなります。
- 更新費用の削減: 将来的なキュービクルの機器交換や修繕費用が発生しなくなります。
- スペースの確保: キュービクルを撤去した跡地を有効活用できる場合があります。
低圧化のデメリット
- 電気料金単価の上昇: 一般的に、高圧電力よりも低圧電力の方が、電気の単価(kWhあたりの料金)が高く設定されています。使用電力量が多い工場では、毎月の電気代が跳ね上がる可能性があります。
- 高額な工事費用: 低圧化するためには、電力会社側の工事負担金や、幹線ケーブルの張り替えなど、大規模な工事が必要です。この初期費用が数百万円単位になることも珍しくありません。
- 電力制限: 低圧受電には契約容量の上限(原則50kW未満)があります。多くの機械を動かす工場では、そもそも容量オーバーで低圧にできないケースが大半です。
結論:慎重なシミュレーションを
「点検費用をなくしたい」という動機だけで工事を行うと、かえってトータルの出費が増えてしまう可能性があります。
弊社では、現在の電気使用量や設備状況を確認し、低圧化が可能か、そして経済的メリットがあるかを試算いたします。無理な工事はお勧めしませんので、まずは現状をご相談ください。
参照元:キュービクルサポートセンター